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眠れない夜を過ごしているあなたへ
10月16日、甲子園。クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第3戦も、阪神はDeNAに0-4で敗れました。第1戦0-2、第2戦0-1、そして第3戦0-4。3試合続けて、スコアボードの阪神側に「0」しか並ばなかったのです。アドバンテージの1勝を含めて1勝3敗。DeNAは日本シリーズ進出まであと1勝に迫りました。
正直に言います。私自身も、試合が終わったあとしばらくテレビの前から動けませんでした。阪神ファンになって40年、いろんな負け方を見てきたつもりですが、リーグ優勝したチームが本拠地・甲子園で3夜連続の零封負けというのは、やはり胸にこたえます。
10月3日、2年連続8度目のセ・リーグ優勝を決めたあの夜の歓喜から、まだ2週間しか経っていません。あのときの「今年こそ日本一を」という気持ちが大きかった分、今の落差に戸惑っている方も多いと思います。
「どうしてこうなったのか」「もう終わりなのか」「明日はどんな気持ちで見ればいいのか」。この記事では、そんなモヤモヤを一緒に整理していきます。
悔しいのは、それだけ本気でこのチームを応援してきた証拠です。
問題の本質は「打てない」ではなく「つながらない」こと
3試合連続の完封負けと聞くと、「打線が冷え切っている」と一言で片付けたくなります。もちろん数字は厳しいです。第2戦のチーム安打は内野安打の2本だけ、第3戦も2安打に終わりました。
ただ、40年見てきた立場から言わせていただくと、本質はもう一段深いところにあると感じています。それは、「1点を取りにいく形」がチームとして作れていないことです。
藤川球児監督も第2戦のあと、「得点圏に進めてそこからどうするか」と話していました。ランナーが出ないわけではない。でも、そこから1本が出ない、1点に結びつく流れが作れない。この「最後のひと押し」が欠けている状態が3試合続いているのです。
短期決戦では、シーズン中のように「今日はダメでも明日は打つだろう」という長い目線が通用しません。1試合ごとの先制点、1イニングの攻防の重みが、レギュラーシーズンとは比べものにならないほど大きくなります。
シーズンを通して積み上げてきた「143試合の強さ」と、CSで求められる「1試合を取り切る強さ」は、似ているようで別物です。今の阪神は、その切り替えにまだ苦しんでいるのだと私は見ています。
短期決戦で問われるのは、地力よりも「1点への執念」の形です。
苦戦の原因は3つあります
原因1:中軸の相次ぐ離脱
まず何より大きいのは、主力のアクシデントです。
佐藤輝明選手は第1戦で途中交代し、第2戦はコンディション不良で今季初めての欠場となりました。第3戦もベンチ入りはしたものの、最後まで打席に立つことはありませんでした。本人は「重症ではない」と話していますが、出場は不透明な状況が続いています。
さらに第2戦では、森下翔太選手が一塁へ全力疾走したあと右太もも裏を気にするしぐさを見せ、7回の守備から交代。病院で検査を受けました。第3戦はベンチスタートで、7回に代打で出場したものの中飛に倒れています。
追い打ちをかけるように、第3戦では前川右京選手が2回に死球を受けて途中交代し、球団は「左手小指の骨折」と発表しました。
第3戦のスタメンは1番・立石選手、2番・中野選手、3番・近本選手、4番・大山選手。シーズン中とはまったく違う並びで戦わざるを得なかったのです。藤川監督が第2戦後に「明日ちょっとわかりませんけど」と言葉を濁したのも、苦しい台所事情の表れでしょう。
原因2:先発投手が3戦連続で先制を許した
投手陣が大崩れしたわけではありません。それでも、先に点を与えてしまう展開が3試合続きました。
第1戦はエースの村上頌樹投手が6回2失点。初回に連続四球を出したあと先制点を許し、試合後には「結局、四球だったら意味がない。試合のリズムを崩してしまった」と悔やんでいました。
第3戦の才木浩人投手は、3回にDeNAの佐野選手に3ランを浴び、5回3失点で降板。「自分のボールが弱かった。申し訳ない」とコメントしています。藤川監督も「3点は少し重かったかなと」と振り返りました。
打線が苦しいときほど、先制点の重みは何倍にもなります。先に追いかける展開になったことで、打線にさらに焦りが生まれるという悪循環に陥ってしまいました。
原因3:勢いに乗ったDeNAの巧みな戦い方
相手を褒めるのは悔しいですが、ここは正直に認めなければなりません。DeNAはファーストステージから負けなしで勝ち上がってきました。
第1戦では、DeNAの相川監督が不振のエンカーナシオン選手を外し、宮崎選手を4番に起用。その宮崎選手が先制打を放ち、佐野選手もソロ本塁打。先発の平良投手は6回途中まで無失点に抑えました。第3戦でも佐野選手がファイナルステージ2号となる3ランを放っています。
短期決戦で一度流れに乗ったチームの怖さは、私自身も何度も味わってきました。采配がことごとく当たり、勝負どころで一本が出る。今のDeNAは、まさにそういう状態です。
負けには必ず理由がある。理由がわかれば、次の一手も見えてきます。
解決方法:「3連勝」ではなく「目の前の1勝」に集中する
ここからは、どうすればこの状況を少しでも前向きに捉えられるのかを考えていきます。
ファイナルステージは6試合制です。阪神が日本シリーズに進むには、残る試合をすべて勝つ必要があります。数字だけを見れば厳しいのは事実です。デイリースポーツによると、セ・リーグでアドバンテージの1勝から2連敗したケースは過去3度あり、突破したのは2012年の巨人だけだったそうです。今の阪神はそこからさらに1敗が重なっている状況です。
それでも、私が40年応援してきて学んだことがあります。それは、「3連勝しなければ」と考えるより、「まず明日の1勝」と考えたほうが、選手も、見ている私たちも、ずっと楽になるということです。
チームとしての処方箋も、実はシンプルです。
1つ目は、先発投手が序盤を最少失点でしのぐこと。先制点さえ許さなければ、試合の空気はまったく変わります。
2つ目は、得点圏に走者を進めたら、大きいのを狙うより1点を確実に取りにいくこと。藤川監督の言う「そこからどうするか」の答えは、四球、進塁打、犠牲フライといった「つなぐ野球」にあるはずです。
3つ目は、出場できるメンバーで役割をはっきりさせること。中軸が万全でない以上、近本選手・中野選手がしっかり出塁し、大山選手が返すという、シンプルな形を徹底することが近道だと思います。
藤川監督は第3戦後、「ゲームをうまくかみ合わせないといけない。また明日やらなければならない」と前を向きました。この「かみ合わせる」という言葉に、すべてが詰まっている気がします。
そして私たちファンにとっての解決方法は、結果に一喜一憂しすぎず、「今日の1試合」を全力で見届けることです。
奇跡は「3連勝」から始まるのではなく、「最初の1点」から始まります。
今日からできる具体アクション
最後に、第4戦(10月17日・甲子園・14時試合開始予定)に向けて、ファンとして今日からできることをまとめます。
アクション1:情報は公式発表を優先して確認する
佐藤輝明選手や森下翔太選手の状態については、ネット上にさまざまな憶測が飛び交っています。不安をあおる書き込みに振り回されないよう、球団公式サイトや信頼できるスポーツ紙の報道で確認するようにしましょう。スタメン発表を待ってから一喜一憂しても遅くはありません。
アクション2:「1点目」に注目して試合を見る
明日の試合は、スコア全体よりも「どちらが先に点を取るか」に注目してみてください。阪神が先制できれば流れは一気に変わる可能性があります。初回、先頭打者が出塁したかどうか。それだけでも見方がぐっと変わり、試合がより面白くなるはずです。
アクション3:選手を責める言葉より、背中を押す言葉を
SNSに書き込む前に、一度深呼吸してみてください。才木投手も村上投手も、試合後に自ら「申し訳ない」と口にしています。誰よりも悔しいのは選手自身です。私自身、若い頃は負けるたびに選手に文句を言っていましたが、年を重ねるうちに「応援する言葉のほうが自分の気持ちも楽になる」と気づきました。
アクション4:甲子園でもテレビの前でも「最後まで」見届ける
現地観戦の方は、9回が終わるまで声を出し続けてください。テレビやラジオ、配信で見る方も、点差が開いても途中で消さずに最後まで見届けましょう。最後まで見た人にしか見えない景色が、野球には必ずあります。
アクション5:どんな結果でも「今季の誇り」を忘れない
万が一、明日で今季が終わったとしても、2年連続のリーグ優勝という事実は消えません。2年続けてペナントを勝ち取ることがどれほど難しいか、長年ファンをやってきた方ほどよくご存じのはずです。その誇りを胸に、明日の試合に臨みましょう。
おわりに
40年応援していると、「もうダメだ」と思った試合から何度も奇跡を見せてもらってきました。もちろん、何も起こらずに終わった年もたくさんあります。それでも、最後まで信じて見届けた年のことは、不思議と後悔が残っていません。
明日、10月17日の甲子園。まずは最初の1点を、みんなで待ちましょう。
最後に笑うのは、最後まで信じた人だけです。がんばれ、タイガース!



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