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眠れない夜を過ごしたあなたへ
甲子園で2試合続けて「0」。スコアボードを見つめながら、言葉を失った方も多いのではないでしょうか。
10月14日に始まったセ・リーグのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ。リーグ連覇を果たし、アドバンテージの1勝を持って迎えた阪神タイガースは、横浜DeNAベイスターズに第1戦を0-2、第2戦を0-1で落としました。対戦成績はアドバンテージを含めて1勝2敗。まさかの黒星先行です。
しかも第1戦では4番・佐藤輝明選手が途中交代し、第2戦はベンチ外。その第2戦では3番・森下翔太選手まで、6回に二ゴロで一塁へ走った際に右太もも裏を押さえて交代しました。クリーンアップの2人が同時にいなくなるという、悪い夢のような展開です。
私自身も、阪神ファンを40年やってきて、こういう「勝てるはずの短期決戦」で足元をすくわれる場面は何度も見てきました。そのたびに胸がざわつき、翌朝の新聞を開くのが怖くなったものです。だから今のあなたの不安は、痛いほどよく分かります。
ただ、40年見てきたからこそ言えることもあります。
「0点が続いた夜ほど、ファンは結果ではなく中身を見てあげてほしいのです。」
この記事では、2試合で何が起きたのかを事実に沿って整理し、第3戦以降をどう見守ればいいのかを一緒に考えていきます。
問題の本質は「打てない」ではなく「つながらない」こと
2試合連続完封負けと聞くと、「打線が死んでいる」と感じるかもしれません。けれど、試合の中身を振り返ると、少し違う姿が見えてきます。
第1戦、阪神はチャンスを何度も作っていました。6回2死から大山悠輔選手が二塁打を放ち、DeNA先発の平良拳太郎投手を降板に追い込みました。7回には坂本誠志郎選手と代打・前川右京選手の連打で無死一、二塁。9回にも2死一、三塁の場面を作りました。それでも、あと1本が出なかったのです。
第2戦はさらに苦しく、打線は2安打に抑えられました。それでも9回1死一、二塁で、藤川球児監督は代走の植田海選手らに重盗を指示し、1死二、三塁まで持っていきました。結果は三振と二ゴロで無得点でしたが、ベンチは最後まで1点をもぎ取りにいっていました。
一方、投手陣はどうだったでしょうか。第1戦の村上頌樹投手は6回3安打2失点。第2戦の高橋遥人投手は8回を投げて5安打1失点で、失点は0-0の8回に牧秀悟選手に浴びたソロ本塁打の1本だけです。2試合の失点は合計3。短期決戦の投手陣としては、十分に試合を作っています。
つまり、問題の本質は「チーム全体が崩れた」ことではありません。
「好機は作れている。足りないのは、最後の一押しをする“形”です。」
ここを見誤ると、私たちファンは必要以上に悲観してしまいます。では、なぜその一押しが出なかったのか。原因を3つに分けて見ていきましょう。
原因①:主軸2人の離脱で、打線の「芯」が抜けた
最も大きいのは、やはり佐藤輝明選手と森下翔太選手の状態です。
佐藤選手は第1戦の8回に自打球を当てた後、9回の守備から交代しました。藤川監督は「自打球ではない」と説明し、もともとあった症状がこの日さらに強く出たと話しています。第2戦はベンチ外となり、監督は「出場できるかどうか微妙なところで佐藤を入れることによって、他の選手に何かあった時に」と、ベンチの人数を考えた判断だったことを明かしました。
森下選手について、藤川監督は試合後にこう語っています。「レギュラーシーズン中に抱えていたものもあるし、休養してもなかなか取れないであろうところを出場していた」「全力疾走ができる状態じゃない時もありながら出場していた」。
私自身も長年応援してきて、主力がケガを押して出ているという話を後から聞くたびに、胸が締めつけられてきました。打線というのは、3番・4番が座っているだけで相手バッテリーの配球が変わります。その2人が同時に欠けると、前後の打者への攻め方まで変わってしまうのです。
「彼らは打てなかったのではなく、限界まで戦っていたのです。」
原因②:「虎キラー」平良投手への苦手意識
第1戦の先発・平良投手は、阪神にとって分かっていた難敵でした。デイリースポーツによれば、平良投手のレギュラーシーズンの阪神戦は5試合で防御率1.91。佐藤選手はシーズン中、平良投手に13打数無安打でした。
第1戦も平良投手の前に先制を許したまま、得点できずに6回途中まで投げられてしまいました。そこからDeNAは岩田、伊勢、浜地、レイノルズの各投手による継投で逃げ切りました。浜地投手は古巣・阪神を相手に、打者3人で抑えています。
短期決戦では、相手は「一番嫌なカード」をぶつけてきます。苦手な投手に先手を取られ、そのまま継投で逃げ切られる。この流れが第1戦の敗因の大部分を占めていたといえるでしょう。
「苦手は気合では消えません。だからこそ、次の試合は“初対戦”がチャンスになります。」
原因③:初回・終盤の「1点」の重さ
3つ目は、失点のタイミングです。
第1戦では、村上投手が初回1死から連続四球を出し、宮崎敏郎選手に先制の適時打を許しました。6回2死走者なしからは、佐野恵太選手にソロ本塁打を浴びています。第2戦では、0-0の8回に高橋投手が牧選手にソロを打たれました。
どれも「あと一つアウトを取れていれば」「この1球だけ」という場面です。打線が苦しいとき、投手は「1点もやれない」という重圧を背負います。四球の後の一打、2死からの一発、終盤の一発。点差が小さい試合では、こうした1点が勝負を決めてしまいます。
デイリースポーツによると、リーグ王者としてファイナルステージで敗れたのは球団史上初で、CSでの完封負けは2022年以来4年ぶりでした。2023年、2025年はいずれも3連勝で突破していましたから、選手にとっても初めての状況です。
「投手陣を責める試合ではありません。むしろ、ここまで支えてくれたことに感謝したい2試合でした。」
解決方法:第3戦以降は「1点をどう取るか」に集中する
では、ここからどう巻き返すのか。私なりに、見るべきポイントを3つにまとめます。
1つ目は、機動力と小技で1点を取りにいく野球です。第2戦の9回の重盗について、藤川監督は「そこまで1安打でしたから、なんとかしなければと。それが私の責任でもあります」と話しました。主軸が欠けている今、長打を待つより、走者を進めて相手にプレッシャーをかける形が現実的です。第1戦のようにチャンスは作れているのですから、あとはその走者を本塁へ返す工夫です。
2つ目は、投手陣が試合を作り続けることです。16日の第3戦の予告先発は、阪神が才木浩人投手、DeNAがルーキーの片山皓心投手。片山投手は阪神打線にとって初対戦です。平良投手のような苦手意識がない分、打線にとっては流れを変えるきっかけになり得ます。才木投手が村上投手、高橋投手のように試合を作れば、勝機は十分にあります。
3つ目は、代わりに出る選手の奮起です。第1戦で代打・前川選手が連打でチャンスを広げたように、主軸不在の今こそ、控えから出てくる選手の一打が試合を動かします。
藤川監督は「もう勝つか負けるかだけ」「3つ勝つ」と繰り返しています。アドバンテージを含めて1勝2敗。残る試合で3つ勝てば、日本シリーズへ進めます。
「まだ終わっていません。数字の上でも、気持ちの上でも。」
今日からできる具体アクション
最後に、私たちファンが今日からできることを挙げます。
① 第3戦の才木投手を「最初の1球」から見届ける
16日の第3戦は、この短期決戦の流れを左右する一戦です。テレビや配信で、ぜひ試合開始から見てください。初回を0で抑えるかどうかは、第1戦の教訓そのものです。
② 「打てない」ではなく「走者が何人出たか」で試合を見る
スコアだけを見ると落ち込みますが、何回にチャンスを作ったか、走者をどう進めたかをメモしてみてください。私自身も40年の間、負けた試合こそこうして見返すことで、チームの変化に気づけるようになりました。
③ 佐藤選手・森下選手への言葉を選ぶ
SNSには厳しい言葉も流れますが、藤川監督は「全力でやり尽くしている現状があるので、また応援してあげてほしい」と呼びかけています。2人の状態は公式発表を待ち、憶測を広めないことも、ファンができる大切な応援です。
④ 控え選手の名前を声に出して応援する
前川選手、植田選手のように、短期決戦では途中出場の選手が試合を動かします。スタメン以外の選手にも、甲子園から、画面の前から声を届けましょう。
40年応援してきて、私が一番信じていることがあります。それは、苦しいときに見放さなかったファンほど、勝ったときの喜びが何倍にもなるということです。
「今こそ、私たちの応援が一番必要とされているときです。」
第3戦、一緒に甲子園の空に向かって叫びましょう。


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